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「アクシデント・カップル」で考える吹替製作

 最近、人との繋がりが全くと言って良いほどなくなり、無性に孤独に感じる事も多くなりました。そんなこんなで、私は もともと韓流好きではありませんし、そもそも「恋愛ドラマなんて観ないやい!」と思っていたのですが、先日 テレビで再放送していた「アクシデント・カップル」なる韓流ドラマを何の気なしに観てみたら、結局 最終話まで観てしまいました(爆)

 「アクシデント・カップル」(原題:「ただ見守っていて」)は、「シュリ」「ユア・マイ・サンシャイン」「星から来た男」ファン・ジョンミン「カンナさん大成功です!」「変わった女、変わった男」キム・アジュンが出演する全16話のドラマで、2009年4月29日から6月18日まで韓国KBSにて放映されました。日本では、(色んな意味で話題の)フジテレビ「韓流α」枠で、「韓流α」独自の全11回(全21話)構成にて、2010年9月20日から2010年10月4日まで 毎週 月曜から金曜 14:07~15:57 (最終話のみ14:07~15:00)に放映されました。

何気に気に入った作品なので自分のサイトに「アクシデント・カップル」のページを ちょびっと追加しました(ちなみに輸入盤サントラCDも買っちまいました笑)


「アクシデント・カップル」
※サイト「S.0435年 宇宙大作戦」内のトップページです

「放映リスト」
※テレビ録画を開始した中盤以降、オリジナル話数との対応表を作成しました

「勝手に配役大作戦」
※仮に吹替版DVDが出る事になり、残念ながら吹替が再録される場合の
  配役候補を勝手に考えてみました



 内容はといいますと、
仕事も外見も冴えない ごく平凡な郵便局員 ク・ドンベクが、有名女優 ハン・ジス と その交際相手 Gu Gu キム・ガンモの乗る車が起こした事故現場を偶然目撃した事から生活がガラリと変わってしまった逆玉の輿(?)ストーリーです。
 ドンベク は諸々の事情で有名女優 ハン・ジス との契約結婚を強いられるのですが、ジス の恋人
Gu Gu (クドい 笑) ガンモ 最初から最後まで実に自己中心的で勝手な人間のため、ジスは愛想を尽かして、最初から一貫して優しく接してくれた契約結婚の相手 ドンベク に寝返るという、外見も何もかも自信のない私のような男性でも きっと好いてくれる美しい女性はいるよね? 少しは希望を持って良いのかしらん? 良いよね? と前向きになれるラブコメディーです。

 ちなみに ある情報筋によりますと、原題の
「ただ見守っていて(クジョ パラボダガ)」は、(もちろん韓国読みの場合でしょうが)各文字の頭文字を取ると「ク・パ・ボ(その馬鹿)」となります。まるで真面目で不器用な主人公 ク・ドンベク の事を指しているかのようですね(笑)

で。

 何故に観てしまったかというと、ずばり、
主人公の男性がイケメンではないからです(スミマセン! 笑) いや、あくまで役柄なんで、他作品では冷酷な悪役やワイルドな油ギッドギドのカッコイイ役をやっていたり、あと、歌も上手でノリノリで歌っていたりするようですが、本作品に関しては 朝○龍 や エ○パー伊藤 系統の人にしか見えずお世辞にもカッコよく見えません (演者の方も 例に挙げた方も ほんとスミマセン!) だがしかし!そこが良い! 何でもイケメンを主役にすれば良いという発想が嫌いなダサブサメンズな私にとっては、主役 ファン・ジョンミン 演じる ク・ドンベク に思わず共感してしまいました(共感しちゃいけないのか 笑) あと、韓国文化特有(?)の気性の荒い感じや陰湿なイジメ描写も他の韓流作品と比べると少ない印象で、比較的観やすかったのもあると思います。

でで。

 吹替版は
良くも悪くも話題になったようで、私としましても、「あ゛あ゛…まぁ…ねぇ…」という感じでしたが、吹替版キャストはモーニング娘。の高橋愛さんをはじめ、アミューズメントメディア総合学院 東京校 声優タレント学科在校生 や Tokyo Story 所属の俳優が中心であったという事で、あくまで個人的な意見ではありますが、恐らく声優としての経験不足もあったのではないかと思います。

 ただ、演者の技量云々というよりは、
吹替製作の配役や演出によるところも大きい気もします。我々一般視聴者には分からない大人の事情もあるでしょうし、現場を見たわけではありませんので強くは語れませんが、数年前、あるイベントにて ある大御所男性声優さんが語っておりました。その大御所男性声優さんが昔から当てている ある役者が主演・監督を務めた あるC級作品(失礼!)のアテレコ作業の時、他の声優さんは経験が浅く、声優に成り立てのような方々ばかりであったそうです。そんな中、演出家が他の声優さんたちに対して、一つ一つ丁寧に指導されていて、男性声優さん曰く、「まるで演劇学校の講義を聴いているようであった。なるほど、このように指導するのかと感心した。実に良い勉強になった。」と語っておられました。今回の吹替監督さんは御自身のブログで独自の演劇論を熱く語っていますが、もう少し声優さんに大して演出方法を変えたりする等の配慮をすれば、より良い吹替になったと思います。

 また、
効果音の問題もあると思います。近年の米国ドラマ作品などは映画嗜好の物が多くなった影響か、台詞以外の効果音トラックも既に本国で製作されているものと思われ、単純に声優による吹替トラックとBGMや効果音のトラックとミキシング調整して完成となり、原語版と比較しても声以外は それほど違和感はありませんが、昔は違いました。大体、60~80年代の海外ドラマ吹替作品が参考になりますでしょうか。原語版において、足音やドア開閉音、野外音などの環境音は基本的に後付けではなく、撮影時の役者の喋る声を録音した際に偶然入ったもので、同じ音声トラックに収録されていました。いわゆる同時録音(同録)ってやつです。ドア開閉音や足音、台詞が全部一緒の音声トラックに収録されているので、この音声トラックを抜くとドアの開閉音や足音も一緒に消えてしまいます。そこで、吹替製作時に改めて日本でドアの開閉音や足音を作って入れていたわけですね。ちなみに私のお気に入り作品「スタートレック/宇宙大作戦」の吹替版では宇宙船内にカーペットが敷かれているのにタイル張りのところを歩いた時の革靴音がします(だが それが良い! 笑)
 「アクシデント・カップル」を含む韓国ドラマ作品については、足音等の効果音の後付けが必要な、
60~80年代の米国ドラマ作品と同じような印象を受けるので、是非とも吹替製作関係者の方には、その当時の吹替作品を参考にして頂きたいと思います。

 今回放送された「アクシデント・カップル」吹替版における足音等の効果音は、個人的に
堅過ぎる印象を受けました。例えば、室内においてスリッパを履いて歩くシーンは一つ間違えるとスニーカーを履いて歩く音に聞えます。日本向けにアレンジするのであれば、映像を観る限り違っていても、もう少しペタペタ伸びのある柔らかい足音作り(あるいは音声加工)をすると、より良くなるのではないかと考えます。

 現在における効果音製作がどのように行なわれているか分かりませんが、60~80年代くらいまでの吹替作品の効果音は、作品にもよりますが、
映像を観ながら実際に足音を“演じて”音を作っていたりしていたようです。そのためか、シーンの どの辺を激しくするか、あるいは小さめにするか等のメリハリもあったように感じます。現在においても場合によっては同じように映像を観ながら音を作っている事もあるかと思いますが、メリハリがあまりなく単調に感じる事が多い気がします。録音機器の進歩により音がクリアに録れ過ぎてしまうのか、ミキシング調整の影響なのか、技術的な事に関しては私は素人なので分かりませんが、今一度、プロの技師の方も様々な吹替作品、特に昔の作品を観て“聴いて”、今後の吹替製作に役立てて欲しいと思います。足音等に関しては、南野陽子主演の東映ドラマ「スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説」あたりも確か後付けの足音だったように記憶しているので参考になると思います(笑)

 いずれにしても、
効果音を後付けする場合は、想像している以上に、オーバーに感じるくらいに入れて丁度良いと私は思います。吹替製作は、声優さんの演技力だけでなく、効果音や他の音とが合わさって初めて完成する協同作品です。もし関係者の方が この日記を見ていらっしゃいましたら、単なる批判と捉えるのではなく、視聴者の一つの意見として、是非とも今後の吹替製作に役立てて頂ければ幸いです。

でで、だ。

 ここまでの長文からすると吹替についての批判かと思われちゃいそうですが、私個人としては、
吹替版は その出来の良し悪しに関わらず、一旦 放送されたものに関しては、“歴史的音声資料”であると考えております。それに余談ですが、声優経験が浅い演者の皆さんが経験を積む場所があるという事は実に喜ばしい事です。人は誰しも初めて経験する時があるものです。ですから、今回の吹替版に関しても、“なかった事”にして欲しくないと考えております。

 ちなみに既に「アクシデント・カップル」のDVDは販売されておりますが、
吹替音声が収録されておりません。テレビ放送の際、大幅なカット編集が行なわれておりましたが、その際の吹替音声を注意深く聴くとカット部分前後の吹替音声も微かに聞える箇所があるようなので、恐らくCS再放送等を考慮して未カットでの吹替製作が行なわれたものと考えます。もしそうであれば(違うのであれば追加収録を行なった上で)、是非とも、吹替版を収録したDVDを出して欲しい。そう願う今日この頃です。


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